ファイバーだらけの羽毛

羽毛ふとんのリフォームが最盛期に入り、お蔭様で忙しくさせていただいております。

弊社ではお預かりしたふとんは、まず申込書と内容が預かったふとんと相違ないかを確認し、次に加工作業中に取り間違いのないように印をつけていきます。
その後、預かったふとんの状態を確かめるため、中の羽毛を取り出して、チェックを入れ、傷み具合に応じた加工方法を決めています。

毎年その作業をしていると驚きの事実を目にする事があります。
今回も驚くような羽毛が入っていましたのでご紹介いたします。
その中身は写真を見ていただきますと、おわかりいただけるかと思います。

   

…そうです‼ ほとんどがファイバーで暖かさを感じるダウンやフェザーは少ししか入っていません。
これはお客様の取り扱いが悪くてファイバーが増えたのではなく、最初から意図的に入れられたモノだと思います。

側生地に包まれた状態でふとんを触れば、フェザーの当たりが無いのでダウンがたくさん入っていると感じますが、羽毛ふとん独特の反発はありません。
使い心地はどうだったのか・・・。

ちなみに、羽毛ふとんやダウンジャケットに使用する羽毛にはダウンやフェザーと一緒に多少のファイバーやきょう雑物が含まれていますが、JIS規格等で活用範囲が定められています。

以前受けた世界的な羽毛検査機関IDFLの講習では、中身の価値について説明がありました。
例えば中身の価値をお金に換算するとしたら、この様な表現をされていました。
 
ダックダウン
グースダウン
50$~100$
ダックフェザー
グースフェザー
2$~10$
ダックファイバー
グースファイバー
no value
陸鳥フェザー no value
きょう雑物 no value
損傷フェザー 1$
ネックフェザー no value
※1㎏あたり     
 
今回預かった羽毛ふとんの中身は、JIS規格の活用範囲を遥かに越えて価値が無いモノが入っていたということになります。
お客様がいくらでお買い上げになられたかはわかりませんが、この様な商品を作ったり、販売する業者が居る事は非常に残念です。
このリフォーム依頼の対応としては、お取り扱店に連絡させていただき、返却させていただきました。

当社も参加している(一社)日本羽毛ふとん診断協会のダウンプロフェッサーを取得した方がおられる寝具専門店であれば羽毛ふとんの診断をした上でお預かりしますので、この様な商品があれば、その場でお客様に状態を説明してリフォームが出来ない事をお伝えしています。

 
ダウン
フェザー
きょう雑物
ファイバー